月に2度、林先生の中国茶教室に通っていますが、9月の伊那教室は
楽しみにしていた『岩茶の飲み比べ』。
『岩茶』(いわちゃ・がんちゃ)は中国・福建省北部にある奇峰奇岩の連なりを
総称して武夷山と言い、これらの岩に根を張り、太古の岩の養分を食べ、
早朝の光と 霧を浴び、岩肌を伝わって流れてくる水を飲み、
さまざまな動植物と共生し成長している茶の葉を摘んで作るウーロン茶が岩茶です。
~ 渓辺奇茗天下に冠たり 武夷の仙人 古より栽う ~
天下に名をとどろかせている名茶がこんな奇妙な所に生えているなんて、人間技ではない。
武夷の仙人が古に栽えたものとしか思えない。
宋代の詩人范仲淹(989~1052)は岩茶の生育する世にも希な情景をそう詠みました。
岩茶は唐代より皇帝のお茶として珍重され、現在でも一部の人の手にしかわたらない極めて
生産量の少ない貴重なお茶です。
自生している茶の樹及びその接木から作られる「大紅袍」などが本来のこの「岩茶」に値する
高級品のようです。
現在、一般的には武夷山市内にある100余りの認可企業によって生産され、かつ、
名岩区または丹岩区の原料を使用し、武夷岩茶としての特質、国家規格に合致しているもの
を「岩茶」と総称しているようです。それでも選ばれし「岩茶」。
そんな奥の深い「岩茶」を数種類いただけるうえ、一品持ち寄りなので、いつもにも増してワクワク♪。
教室に入ると既に机上にはフランセ板屋のモンブラン(☆▽☆)。
わたしは昼まで薬膳教室中級を開催していたので、手抜きをしてそのおかずを持参。
すっかり「食べて飲む!」ことばかり考えて行ったら、岩茶も交代で淹れていくとのこと。
・・・・えっ(・ ・)。
中国茶はお茶の種類によってもその品種によっても煎れ方が全部違います。
袋の中からくじ引きのように数ある岩茶から取り出しました。
わたしが引いたのは「水仙」。
武夷山から種子を貰い受けて、土で栽培して大量生産に
成功したもののようです。
今夜の他の生徒さんはベテランのおもてなし1期の方々。
駆出しのわたしは先に煎れて、早く緊張から解き放たれたほうが良いでしょう、
との先生のお心遣いでトップバッターでした。
前に出て煎れたときも同じように味わうんですが、緊張するせいか
煎れることで手一杯になってしまうからか、愉しむならやっぱり煎れていただくに限ります。
なのでトップバッターのご配慮に感謝。早く終えて、後からゆっくり愉しみます。
わたしが煎れた水仙はすーっと喉元を心地良く通り過ぎ、後から香が頭のほうに抜けていくような
すっきりとした味わいのお茶でした。2、3煎目は苦みも加わり、
ちょうどお茶請けが欲しくなりました。
中国茶は岩茶だけでなく、1煎、2煎と飲む度に香も味も変わっていきますが、
殊に岩茶は6煎、7煎まで深い味わいを愉しめます。
次にベテランS先輩が煎れてくださったのが、『半天腰』(ダンフォアパオ)。
「大紅袍」や「白鶏冠」「鉄羅漢」「水金亀」の四大岩茶、「半天腰」を加えて
五大奇種と言われる高級品。
現地の価格で500g60000円だとか。
煎毎に醸し出される上質な味と香り、
すーっと逆に吸い込まれてしまいそうなくらいです。
後から調べたのですが、岩茶の深い味わいや香のことを「岩韻」と表現するようなんですが、
まさにこれがそうなのかもしれません!
午前中にはたっぷりと陽光を、北面で翳る午後にはたっぷりと水分を吸収して育つそうです。
別名「半天妖」とも呼ばれるのは、1煎毎にきらめく上質な味と変化していく香りから
の由来もあるようです。
次にいただいたのはM先輩が煎れてくださった「金観音」。
洗茶の香は若々しいのにまろやかなイメージだったのですが、
いただいてみると、まずはツンとする力強い香。
それがだんだんやわらいで最後はバニラのような甘い香りに~。
中国茶もアロマテラピーに通じるものがあります。
香りは鼻から吸い込んで大脳辺縁系に直結していますから。
それゆえにカフェインが持つ刺激・興奮様作用よりも
香りのリラックス効果が増して、自律神経の副交感神経が優位になる
のだと思われます。
逆に眠気を覚ましたい時は、抽出時間を長くしたりして、濃いめのお茶
を飲めば交感神経のほうが優位になると思われます。
それから今回、まだまだお茶の種類も銘柄もわからないわたしですが、
いいお茶は『おいしい』と改めてわかりました。
特にミネラル豊富な岩茶は薬効も特段。
苦味を作るカフェイン、甘味、酸味、旨味を作るテアニン、渋味を作るカテキン類や、
鉄、亜鉛、カルシウム等、有効なミネラルがたっぷり含まれています。
今月の薬膳中級クラスは、『高脂血症』についてだったのですが、
まさにこの岩茶は血液をサラサラにして余分な脂肪を体外へ排出することに
長けたお茶だと思います。おいしくてカラダに良い中国茶。
林先生にはお茶の煎れ方はもとより、こういった薬効のことでもアドバイスをいただけるので
本当に勉強になります。
わたしがお客様お一人おひとりに茶葉や東洋・西洋ハーブをブレンドする薬膳ハーブ茶も
まだまだおいしくできる!!と思ったお茶教室でした。
中国茶を勉強されたい方はぜひ林先生の教室へ♪。
諏訪在住の先生ですが、長野県南信、中信、北信、そして東京でも教えていらっしゃいます。
中国茶葉や茶器なども販売しているショップも諏訪にあります。
ご興味がある方はこちらまで ↓↓↓
http://www.haocha-kobo.com/
それにしても、わたしは水仙、先輩は半天腰
お茶のグレードがわかる方への話になってしまいますが、
お茶も煎れる「人」を選ぶんだな(-_-;)、と怖いくらいに思いました。
わたしも「いいお茶」に選んでもらえるような「人」になりたいです。
フランセ板屋のモンブランも最高でした~!!!!!!!